いつか朝日が昇るまで

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シングルマザーの現状報告(労働政策研究報告書より)

子どもを一人で育てているシングルマザーの現状について報告している報告書がありましたので,ご紹介します。


子育てと仕事の狭間にいる女性たち

引用
なぜ母子家庭の就労収入は低いか

第 1 に、シングルマザーの労働時間は平均的に既婚マザーよりも長い。つまり、母親自身の労働時間が低収入の原因とはいえない。第 2 に、賃金の分布はパート・アルバイトの場合に既婚マザーとほぼ重なるが、一方で正社員として働くシングルマザーの時間当たり賃金は、既婚マザーの賃金より低い。第 3 に、賃金格差の要因分解をした結果では、その低賃金は、シングルマザーの平均的な学歴の低さだけではなく、学歴やスキルなどの人的資本に対する評価が既婚マザーと比較して低いことによってもたらされている。
以上を踏まえると、母子世帯に対する「就労を通じた経済的自立支援」策の限界が見えてくる。多くの場合、すでに労働時間は長いうえに、労働時間を増加させると必然的に子育てに充てる時間が削られるようになる。正社員化を支援することは増収を図るうえで有効であるが、母親自身の人的資本を強化しても、それに対する市場の評価は必ずしも高くないということが、賃金格差の要因分解から示唆されるからである。
Fox, Han, Ruhm, and Waldfogel (2013) によると、アメリカのふたり親世帯の年間労働時間は夫婦合計で 3,092 時間(2010 年)に達したが、ひとり親世帯の場合は 1,262 時間(同)にとどまっている。どちらの世帯類型も過去 40 年間にわたって労働時間を増やしてきたが、両者の差は拡大傾向にあると指摘されている。ふたり親世帯の場合は共働きによって市場労働時間を増やせるのに対し、ひとり親世帯の場合はそれができない。日本の母子世帯についても同様に、世帯単位でみた場合に市場労働に従事できる時間資源の絶対量が不足していることが、就労収入の低さの主な原因となっているといえよう。


確かに働き手が少なければ収入が減るのは当然ですね。そのため就労支援ではなく,給付制度にしなければ格差は埋まらないでしょう。

引用
母子世帯における心理的負担について

本稿では母子世帯という環境、およびその環境下で働くことが、母親にどのような心理的負担があるかについて 3 つの問いを検証した。結果を整理しておくと、(a)の問い、「世帯類型および働き方の違いによって、ディストレスの水準は異なるのか」において、カットオフ・ポイント以上の重度のディストレスについては、基本的には世帯類型、働き方の違いによって明確な違いが得られていない。ただ、母子世帯の正社員・正規職員と母子世帯の専業主婦では他のグループに比して、ややディストレスを感じている傾向にある。
(b)の問い、「母親が仕事と家庭の両立に困難を感じている場合、世帯類型によって母親のディストレスへの影響が異なるか」について、一般世帯、母子世帯ともに仕事と家庭のコンフリクトを感じているほど、ディストレスは高い傾向にあることが示された。また、就業すること自体がディストレスを下げる可能性も一部のモデルからは示唆されている。この効果は、コンフリクトの影響を打ち消すバッファーとして働く。バッファーの大きさは、一般世帯の方が大きい。つまり、コンフリクトから受ける限界的な影響は一般世帯、母子世帯とも同じ程度であるが、その影響を吸収できるバッファーの大きさは、一般世帯の方が大きいことになる。
(c)の問い、「配偶者以外に金銭的・非金銭的援助を期待できない場合、世帯類型によって母親のディストレスの水準が異なるか」については、母子世帯で金銭的援助を誰にも期待できない母親は、ディストレスが高くなる結果が得られている。金銭的援助者がいなくても、一般世帯、単身赴任世帯ではそのような傾向はみられない。配偶者の所得保障の大きさを示した結果と捉えることもできる。なお、子育てや家事といった非金銭的援助の影響は、いずれの世帯類型においても不明であった。
以上のような 3 つの問いの検証を通してわかることは、夫がいないこと自体が母親のディストレスを著しく高めているとはいえないことである。母親のディストレスと強い結びつきがあるのは、家計の困窮度、(元)配偶者から暴力を受けた経験、子どもの健康状態という項目である。
。ただ、母子世帯という環境下での生活は、脆弱な均衡の上で成り立っており、何かの悪条件が重なったときに母親のディストレスが高まりやすい。その悪条件の1つとしてあげられるのが、仕事と家庭のコンフリクトや夫以外のサポートする者の不在である。なお、夫が一時的不在の状態である単身赴任世帯の結果は頑健なものではなかったが、少なくとも母子世帯と同じようなディストレスの高さを示しているものではない。
 では、本稿での分析の知見から母子世帯への就業支援策について、どのようなことがいえるだろうか。まず、世帯類型および働き方と重度のディストレスの間に明確な関係がなかったことは、有用な知見である。すなわち、職業能力開発などによる就業自立支援策は、本人に一定の意欲があることが前提である。重度のディストレスと無気力や意欲の低下に強い関係があるならば、本稿での分析結果は母子世帯であることや、その環境下での就業が母親の無気力等に必ずしも結びついていないことを意味している。少なくとも、極度の貧困や暴力といったネガティブな要因の影響が薄いシングルマザーに対しては、自立支援を前提にした
就業支援策は有用な施策といえる。ただ、だからといって母子世帯に対して「もっと頑張りなさい」と就業面での負荷を安易に求めることには慎重でなければならない。仕事と家庭のコンフリクトの発生は、シングルマザーのメンタルヘルスの均衡を崩す要因となる。分析からは、母子世帯の場合、正社員で働いている母親たちが、よりディストレスを感じている傾向にあった。母子世帯で正社員として就業することは、他の世帯類型や就業形態に比べてコンフリクトが多く発生し、それが構造的な問題であることを示唆している。このことから、現在、母子世帯で正社員・正規職員で働いている人たちには、一層の家事・育児支援策の拡充や、企業あるいは行政を通じた就業環境の整備がまずは期待される。正社員で働く人たちの環境整備が重要なのは、彼女たちの心理状態を改善し、悪化させないという第一義的な意味ではもちろんである。また、抑
うつの高さは、世代間で再生産されるという指摘もある(稲葉 2011)。母親のメンタルヘルスの状態が子どもの発育にネガティブな影響を与えないようにする点でも重要である。さらに波及的な効果として、正社員就業の良いロールモデルを提示することにもなり、現<在パート・アルバイトで働いているシングルマザーたちの正社員への就業転換も期待しうる。
 周(2012b)によれば、母子家庭では非正社員で働く母親の 8 割弱は正社員の就業を希望しているが、今後 3〜5 年の間に転換を希望している人はその半数にも満たないという。周(2012b)では、正社員希望をしない理由を「年齢・学歴制約」、「育児制約」等に求めているが、本稿の結果は、加えて、心理面での障壁も新たな可能性として示唆しうる。シングルマザーで非正社員として働いている人、あるいは就業していない人たちの多くは、現状の環境下で正社員として働いている母親たちをみてどのように感じているだろうか。体力、精神面での強さに自信がない人は、自分には真似できないとあきらめを感じているかもしれない。また、そのように心身をすり減らしてまで働かなくてもよいと考える人もいるだろう。一方で金銭面等での(将来)不安は、正社員という、より安定した働き方を心の底では望んでいるとも考えられる。子育て期という家庭での負担が高い時期に就業での負担を減らす選択は、母親の心の健康を維持する面からも合理的な選択ではある。しかし、その一時的な均衡を保つことが、長い目で見た職業キャリアの形成に不利益が大きいのであれば、それは個人にとっても社会にとっても望ましいことではない。本人や子どものライフステージに応じて、家庭内での母親の負担は変化するものである。そのことからも家庭内の負担の軽重にかかわらず、持続的なキャリア形成を保障する仕組みづくりが必要である。例えば、短時間、長時間の勤務にかかわらず、就業することがスキルアップ、キャリアアップにつながる就業のあり方を、行政と企業は考案し提供する必要があるだろう。また、子育てをしながら学べる環境の整備も重要である。それらを担保することによりはじめて、母親も自身のキャリアプランが描けるようになる。その上で、自立支援策を通し、母親も自ら積極的に自分のキャリアプランを考えるように働きかけていくことが期待されよう。/p>


精神的なストレスはかなりあるので,それを理解してくれる人がいるかどうか,また,金銭的に援助してくれる人がいるかどうかはとても重要ですね。私との妻も何とか大学までは出ることができましたが,妹は大学進学しませんでした(これは本人の意思によるものですが,実際に希望しても行けたかどうか分からないようです)。


お金がないというのは子どもにもストレスになるので,大人ではなく子どもにお金を給付する制度を作れないのかと思います。ただ子供手当があれだけバラマキ批判をあびた日本では難しい気もします。子どもを社会で育てるという意識が育つと良いのですが。





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