いつか朝日が昇るまで

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赤ちゃんに厳しいのではなく母親に厳しいのが問題

以下の記事を読みました。子育ての大変さやそれを母親に押し付けることはダメだという部分は同意できます。しかし,読んでいてタイトルも含めて違和感があったので,今回はそれについて書きたいと思います。

 

子供が産まれてよくわかったのは、子育ての大変さだ。大変なんてもんじゃない。戦いだ。修羅場だ。赤ちゃんは良妻賢母的なママがだっこすれば泣きやみ、あとはパパがお風呂に入れればいい、などというきれい事ではない。

(省略)

まず赤ちゃんは良妻賢母がいれば育つ、というものではない。子育てに問題が出ると母親が良妻賢母じゃないからだ、的な見方をすぐする人がいるがそうではない。子育ては母親ひとりでは本来できない。

 

 赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。 | 境治

 

 

こういう問題をどう解決するかを議論しなければいけないわけですが,「そんなこと言われても…」という解決策を示されてもどうしようもありません。例えば以下の部分。

 

つくづく思うのは、核家族にせよ、奥さんの実家が近いのがベストだということだ。いわゆるスープの冷めない距離に、母親の母親が住んでいる。いつでも遠慮なく頼れるのだ。もっといいのは、奥さんの実家に一緒に住むことだ。婿養子にならなくても、磯野家で生活するマスオさんのようなモデルが標準になればいい。フネやカツオやワカメも面倒を見てくれるので子育てはラクになり、楽しくなるはずだ。

赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。 | 境治

 

これってどうしようもないですよね。田舎であればこのような生活ができますが,核家族化が進んでいる以上,それを前提に対策を考えなければなりません。また以下の部分は同意できるのですが,それでどうすればいいかという所まで踏み込んでいません。

 

さらに"地縁"も大事だ。ずいぶん前のNHKの番組で見たのだけど、どこかの小さな島では島中で子供たちを見守ってくれるので、子育てがしやすく子だくさんの家が多いとレポートしていた。あちこちでおばちゃんやじいちゃんが子供たちに声をかけてくれるので、親としても安心なのだ。近代的な都市部の方が子育てにはつらく、昔ながらの島の暮らしの方が子育てしやすい皮肉な状況がその番組では描かれていた。

 

 

子育てを母親だけに押し付けてはいけない。そして少子化の原因のほとんどがそこにあるとぼくは思う。良妻賢母の幻想を女性たちに無理強いしてきたから子供が減った。「ごめんなさい、それ無理です」と女性たちが思っているのだ。そしてその押し付けは間違っているのだ。

赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。 | 境治

 

地域のつながりがない,核家族では子育てできないというのはもはや都会の子育てでは前提であって,それでどうするかを論じなければなりません。私は人々の善意にのみ頼ったものは続かないと考えているので,地域で子育てをするのであれば,自治体がしっかりと予算をつけるべきだと考えています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

善意のみに頼ったらダメ~子育て支援を考える - 研究者はつらいよ~研究者の子育て&日々雑感

 

私自身はマナーや意識の問題にすることにかなり違和感を感じるのです。それって単なる呼びかけにならないでしょうか?ですので,以下の結論は順番が逆だと思うのです。

 

赤ちゃんを祝福しながら子育てをみんなで支える空気をつくること。その上で、子育てを支援する様々な制度も整えるべきだ。乱暴に言うと、子育ては何でもかんでも無料にするとか。保育園が足りないとか、なかなか入れないとか、どういうことかと思う。二十年も前から少子化は問題だと言われてきたのに、いまだに保育園には簡単に入れないのだ。いったい何をやっていたのか、ぼくたちは。

赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。 | 境治

 

まず問題なのは「子育てはなんでも無料」ということ。これが問題なのは第一に出産をして欲しいならそのインセンティブになるような制度設計にしなければならないこと。例えば,第3子以降は無料など。第二にそこで働いている人のことを考えた制度でなければ続かないということ。例えば保育園。保育園ができたのに保育士が足りなくて保育園が開園できないなんてことも考えられます。実際に今現在でも保育士不足が深刻化しているのです。くわしくは以下の記事を参照ください。

住む場所でこんなに違う!!待機児童問題と保育士不足 - 研究者はつらいよ~研究者の子育て&日々雑感

 

そして順番の話。私は子育て支援を充実されることがまず先に来るべきだと思っているわけです。その先に意識が変わる可能性があると。「みんなで子育てを祝福しよう!!」と言っても,それは個人の意識の問題であり,そこまで踏み込んで強制することはできませんし,そのような空気ができるとも思えません。

 

ならば子育て支援の方を先に充実させてほしい。それが子育てをする上で今,必要なことではなないでしょうか?つまり,私がこの問題に関してタイトルをつけるなら「母親にきびしい国で,赤ちゃんが増えるはずがない」です。「赤ちゃんにやさしく」というのは単なるスローガン以上の意味はないと私は考えますがみなさんどうでしょうか?

 

 

 

子育て支援の社会学―社会化のジレンマと家族の変容

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