いつか朝日が昇るまで

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自由放任主義批判再び

以前,次の記事でスウェーデンの自由放任主義の子育て批判を書きました。

子供中心主義は子供を身勝手にする? - 研究者はつらいよ~研究者の子育て&日々雑感

今回ウォール・ストリート・ジャーナルでも同じような批判がなされているので紹介します。

 

論議の中心にいるのはスウェーデンの精神医学者で6人の子供を持ち、「子供はいかにして権力を得たか」という本を昨年出版して大きな話題となったデビッド・エーベルハルド博士だ。

 

 

 同博士は、スウェーデンの子供中心主義は「行き過ぎ」だとし、その著作は子供への過度の気配りと規律への薄い関心が「しつけの悪い子供」の国を生み出したとしている。同博士はウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、「このこびへつらいが子供と社会に害を与えている」と述べた。同博士は、この傾向は、子供が大きくなるとより高い不安あるいはうつ状態をもたらす恐れがあることを示唆した。

 

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国際比較するとスウェーデンの生徒の成績は低下しており、スウェーデン人たちは学校の規律がより厳しく、スウェーデンでは失われてしまった古き時代の学校の権威を教師たちが持っているフィンランドのような国を羨望のまなざしで見ている。スウェーデンの教育相は学校でもっと規律を高めるよう訴えている。

 

エーベルハルド博士が挙げた一つの例は、教室で携帯電話を使ってメールを書いたりゲームをしている子供からこれを取り上げた教師は、子供の権利が侵害されたと訴える親に答えなければならなくなる、というものだ。同国の一部の教師は、携帯電話をしまわせるために長時間にわたり子供を説得しなければならないのだ。おしゃべりをしている子供を教室の外に出すのにも同じことが起こる可能性がある。

 

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ストックホルム近郊で教師を務めるイダマリア・リンドロスさん(31)は「規律というものをあまり経験してこなかった親たちの子である現代の子供たちは非常に意地っ張りで自己中心的だ」と述べた。彼女の学校でよく見られるのは次のようなことだ。「もう少しこさっぱりした格好をしなさいと子供に言うと、子供は『嫌だ。先生は僕のボスではない。先生は僕のすることを決められない』と反論する。とても反権威主義的だ」。

 

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スウェーデンの作家で教育者でもあるヨナス・ヒンメルストランドさんは、出生後1年間は子供と一緒にいられるように親に長期の育児休暇が与えられるが、デイケア制度があるため、その後は子供と常に一緒にいる必要はなくなる可能性があると述べた。彼は「国は子供はあなた自身で育てなくてもいい、というメッセージを送っている」とし、「デイケアと学校があなたの子供を育て、子供たちが家に帰ってくれば、あなたは子供たちの単なる友達になれる」と語った。その上で、国際比較でスウェーデンの生徒の成績が低下している原因はここにあると述べた。

スウェーデンの子供はしつけが悪い?―子育て支援の暗部 (ウォール・ストリート・ジャーナル) - Yahoo!ニュース

 

以前も同様の記事があったわけですが,子ども中心主義にすることで子どもが「わがまま」になるという主張なんですね。大人が子どもを注意しない社会になると誰が子どもに善悪の基準を教えるのかという問題が出てくるわけです。

 

上記の例もあるように携帯電話を無理やり取り上げることもできない状況では,授業をしっかり行うことはできなません。これは塾で小学生を教えていて感じることです。

 

先生が言うことに逆らってばかりでは教育は難しいでしょう(塾の場合,最悪,退塾させることができますが,義務教育ではそういうことはできません)。そこにはしっかりとしたルールが必要でしょう。

 

ただこのような批判に対する反論もあります。

 

2人の子持ちでスウェーデンに住んでいる米国人の情報専門家イアン・ボールドさん(42)は、自分が子供だったころに比べて、スウェーデンの子供たちが大人をあまり恐れず、何かを決める際により力を持っているとの見解に同意しながらも、「詰まらないことで怒鳴られる恐怖を抱く文化の中に生きていないことは良いことだ」と話した。

 

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同博士の本に批判的な人たちは、スウェーデンがテクノロジーやデザイン、医薬品などさまざまな分野で着実に革新を生み出せる人々を輩出する制度の国として知られていることや、世界で最も幸せな国民を調べる多くの調査で同国がしばしば高い順位をつけられているといった事実を指摘している。

 

つまりどちらか一方のみの教育ではダメだというのは明らかですね。問題はどういう厳しさを求めるかということ。同国の子育て法に批判的な論者も「尻叩き」を復活させろとは言っていません。

 

私自身も「誉めて伸ばせ」という育児を実践している所にいたことがありますが,「誉める」だけでは,親の言うことをきかなくなったり,嫌な時には辞めてしまったりすることがありました。もちろんこれは誉め方に問題があるのですが,何でもどちらか一方に偏った子育て法というのはよくないと思いますが,どうでしょうか?