いつか朝日が昇るまで

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保育士の専門性とは何か~保育士不足をどうするか

保育士不足が叫ばれる昨今,保育園ができても保育士がいないという悲しい状況にもなりそうです。原因は本ブログでも紹介していますが,給料が低いというのがあるようです。これは福祉業界とも共通しています。

住む場所でこんなに違う!!待機児童問題と保育士不足 - いつか朝日が昇るまで

 

それでこの保育士不足を解消しなければいけないと識者も政府も考えるわけですが,そのためにどうすれば良いのか。駒崎さんがその具体策を書かれていたので紹介します。確かにこのような考え方もありだとは思います。

 

駒崎さんも保育士不足の原因を待遇の問題としています。そのためには待遇改善をしなければならないのは当然ですが,今すぐできる対策として以下のように言っています。

 

【とりあえずできること】

そこで、保育士資格を持つ僕から、今すぐにやれることから、ということ

で政府に一つ提言です。

それが「保育士試験の通年化」です。

 

現在、保育士試験というのは年に1回(一次は夏、二次は秋)です。

大学等大きな会場を借りて、何百人も大講堂で集めて、マークシートで試

験を行っています。 

 

つまり大規模なオペレーションが必要なので、年1回が限度、って多分そ

ういうことなんです。

でも、マークシートって。一カ所に集めてやる必要、本当にありますかね?

 保育士不足解消に、政府が今すぐできる地味だけど効果的な1つの政策(駒崎 弘樹) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

この後,TOEICTOEFLの話が続くわけですが,つまり試験の回数を増やして受験する機会を増やし,保育士の人数を増やそうという対策です。それで問題となるのは保育士の専門性です。駒崎さんは以下のように書いています。

 

【通年化の効果】

もし保育士試験を通年化させてくれるなら、こういうことができます。例

えば保育の実務経験があったり、子育て経験のある、だけれど資格だけは

持っていない、という人を採用します。そして、3ヶ月みっちり勉強させ

て、ウェブテストを受けさせ、資格を取得させます。

そして現場でOJTでしっかりと育成していきます。

 

今は、無資格の保育者は認可保育所では働けないので、認可保育所より更に

待遇が悪いベビシッター企業や認可外保育所等に流れていってしまっていま

すが、そうした人達も試験のハードルが下がることで、保育園勤務に門戸が

 

開かれていくことでしょう。

 

つまり保育士の専門性は3か月しっかりと勉強させることで身に付くということでしょうか?また3か月勉強させることで身に付けることができる専門性であるならば,そもそも国家資格にする必要がないのではないでしょうか(資格の勉強よりも実践が重要ということでしょうか?)。

 

一方,政府としては次のような対策も考えているわけです。これは横浜方式と共通する部分があります。

 

政府は待機児童解消の切り札としてミニ保育所を増やすため、昨秋つくった認可基準で職員のうち保育士資格のある人は半分以上でOKとした。ただ、一部の保育関係者や親から、従来の保育所が全員保育士としているのに比べ「質を下げる」との批判が出たため、ミニ保育所が自主的に保育士を増やせば補助を上積みすることにした。 

 保育士増なら補助多く 政府、ミニ保育所の支援拡充 :日本経済新聞

 

つまり保育士そのものを増やすのではなく,保育士以外も保育園で働けるようにするというやり方です。これもひとつの考え方でしょう。横浜保育室は有資格者の割合を2/3以上としています(有資格者とは保育士資格もしくは保健師、看護師、助産師のいずれかの資格を持つ者です)。実際に横浜保育室に通わせている身としては,「保育の質」が低いと感じたことはありません。

http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/incubator/file/y-tebiki2307.pdf

 

駒崎さんの言っている保育士資格獲得のハードルを下げるのか,それとも保育士資格取得者以外も保育園で働けるようにするのか,これは議論の対象になるはずです。

 

それで実際に問題となってくるのは「保育の質」です。保育園を増やし,保育士を増やしても「保育の質を下げてほしくない」という意見はあるでしょう。もちろん,保育園の数が増えれば,質が低い保育園は淘汰されると思いますが,自由に選ぶことができない現状では,「保育の質」が議論の中心になるのも仕方がないことでしょう。

 

「保育の質」に配慮し,政府は保育士の割合が多いところには補助も多くするなどして,保育の質を確保しようとしています。それに対して駒崎さんはどのように「保育の質」を確保しようとするのか。これはぜひ聞いてみたいところです。現状でも,有資格者だから「保育の質」が高いとは言えないというのは考えられる主張ではあります。

 

「保育の質」の問題というのは,保育士の専門性とも関係してくるわけで,どの程度勉強して,どういう試験に合格した人が保育士としての専門性を持っていると言えるのか,またどの程度有資格者の保育士がいれば「保育の質」が確保できるのか,まずそこから考える必要があると私は考えますが,どうでしょうか?

 

 

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