いつか朝日が昇るまで

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虐待と産後入院~それで虐待が防げるの?

産後院というのを聞いたことがあるでしょうか。産後の体のケアをすることを目的にした施設です。産後はさまざまなトラブルに見舞われますので,このような施設があれば確かに便利です。

 

韓国では産後院は一般的なようで,女優の小雪さんが利用したことで知った方もいるかと思います。

 

■産後調理院(産後院)とは?
産後調理院(以下、産後院)とは、女性の産後ケアを行なう民間施設のこと。特に韓国ではこの産後院が充実しており、韓国セレブをはじめ世界中の女性が利用しているといいます。2011年に産後調理院を利用した外国人は約2万人、うち日本人は1割程度にのぼります。(ちなみに「調理」とは、韓国語で「養生」という意味があるそうです。)

小雪も利用した産後ママのお助け施設「産後院」とは!?

 

一方,日本にも産後院というのはありますが,以下の記事では虐待を防ぐという取り上げられ方をしています(今回出てきているのは産後院ではなく産後ケアセンターです)。

 

近年、痛ましい児童虐待のニュースは減ることがない。なかでも、自分の子どもに対する育児放棄(ネグレクト)は年々増加の傾向にある。

 

その原因のひとつに、育児が孤独であることが挙げられる。高齢出産や核家族が増え、さらには親戚同士の付き合いが少なくなった現代では、育児で困ったときに年長者を頼ることができにくくなっているからだ。

 

 そこで登場したのが産後入院だ。ここでは産後のからだをケアしつつ、専門家の力を借りて子育てを学べる。育児に自信を持って退院すれば、虐待など無縁の幸せな家庭が築けるのだ。

産後入院ってなに?「出産後、専門家の力を借りて子育てを学べる」 - Peachy - ライブドアニュース

 

実際に産後ケアセンターのホームページを見ると,産後ケアの方がメインで,虐待を防ぐという目的で運営されているわけではないと思うわけですが,次のような理由で虐待防止に結び付けているわけです。

 

入院中は、栄養バランスを考えた食事が提供され、ときには赤ちゃんを預けてゆっくり眠ることもできるので、産後のからだが大きく変化する時期に、慣れない育児と家事の板挟みになることがない。実家や親戚を頼ることができない場合でも、きちんと休養が取れるため、気持ちに余裕を持って過ごすことができるようになる。

 

多くの人が抱える悩みに、母乳の問題がある。たくさん出してあげたいのにもかかわらず思うように出ない、そんな精神的な焦りから、さらに出にくくなってしまうパターンが多い。産後ケアセンターでは、母乳のケアもしてくれるため、きちんと出るうえに、乳腺炎にもなりにくいのだ。

  

たくさんの母乳を赤ちゃんにあげることができるのは、母として一番の自信につながるだろう。

 

これは産後のボディケアであり,虐待防止と結びつけるのは無理ですよね。しかも出産後何日間かで持てた自信なんてすぐに吹っ飛んでしまいます。実際に虐待というのは0歳から3歳までで多く発生しており(虐待死の場合),以下の報告書にもあるように,少なくとも3歳までの育児をどう社会がサポートしていくかという視点が必要なのです。

 

心中以外の虐待死事例では、0歳児の死亡人数が 23 人(構成割合で45.1%)(以下、断り書きのないものについては構成割合を示す。)と年齢別で最多となっている。また、0歳から3歳までの死亡人数の割合をみると、心中以外の虐待死事例の人数全体の 84.3%を占めており(表Ⅰ-1-3、図A)、これまでの報告の中で最も高かった(表Ⅱ-3-2)。 

0歳児を月齢別にみると、生後1か月に満たない0日・0か月児注1)が 12 人(52.2%)と最多であった(表Ⅰ-1-4)。日齢0日の死亡人数が、第7次報告と比して僅かに増えており、心中以外の虐待死事例の人数のうち、0歳児、特に0日・0か月児が多い傾向は変わっていない(表Ⅱ-3-1)。 

これまでの報告同様、0歳から就学前までの子どもに死亡が集中している状

況があり、心中以外の虐待死事例では、これらの年齢に対忚した虐待防止策に特に力を入れることで、死亡という最悪の結果を防止することが必要である。 

 

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http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv37/dl/8-2.pdf

 

 こういう記事や議論を見て思うのは,子育てを長期的な視点でとらえていないということなんです。子育てに終わりはなく,虐待数が少ないとしても小学生の育児にはその年齢の子供を育てる親の悩みがあるわけです。

 

そういう意味では以下の記事で紹介した議論の方が説得力がありますし,こういう視点での育児支援が必要だと考えます。

「お母さんが子どもを育てなくていい」~虐待防止の方法とは? - いつか朝日が昇るまで

 

「産後入院が重要!!」というのは分かりますが,それだけで問題が解決するわけではないということをしっかりと認識したうえで,議論をしてほしいものです。私はそう思いますが,みなさんはどう思いますか?

 

 

 

 

児童虐待―現場からの提言 (岩波新書)

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