読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

フリーター漂流~成功と失敗を分けるもの

人生がうまくいくかどうかは本当は紙一重のはずなのに,成功した人は自分の努力を誇り,失敗した人は自分の努力が足りなかったことを後悔する。あえてフリーターを選択し,夢に向かって頑張る人たち。それが成功するかどうかを分けるものなんて分からない。

 

成功した人たちも「そんなに夢みたいなことできない」と言われてきたはず。だから「いつまでも夢を見ている」ことが失敗の原因だとも思えません。しかし,歳を取るにつれ,だんだんと夢を見ることを諦めてくるのだが,その時にはもう遅い,そして後悔するという構図がこの本で描かれている。

 

 

フリーター漂流

フリーター漂流

 

 

まずは20代前半。

 

 高校や大学を卒業したばかりの若いフリーターたちは強気で,その気になればいつでも就職先は見つけられると思っていた。

「サラリーマンの人,やりたくもない仕事をセコセコとやって楽しいですか。給料も安くて,満員電車に詰め込まれて会社に行って,ヘマすると,リストラされるじゃん。それだったら,フリーターになって自分にあっている仕事を探して,IT長者みたいに一発勝負して金持ちになりたいですね。ホリエモンだって,フリーターだったんでしょう。それがたまたまブレイクしただけなんだし,俺にもできると思っています。人生は一度だけ,人とは違う道を歩きたい」(20歳・男性)(31~32頁)

 

そして20代後半。だんだんと焦ってくる人が増えてきます。

 

「そろそろ就職でもしようかなって考えています。結局,バイトはバイトで,給料は上がらないし,もう夢とか言ってられないですね。ガキじゃないんだから,少し落ち着こうかなと思っています」(27歳・男性)(33頁)

 

さらに30代になると状況は深刻だそうで。

 

「この前,親が定年になったんですよ。これまでは,親にメシを食わせてもらって,バイトだけで生活してこれたんですけど,これからどうするのかって真剣に考えましたよ。親が病気になったら入院費用もかかるでしょうし,介護とか必要になったら,だれが面倒をみるのかとか,結構暗い気持ちになりました。年金とか生命保険とかも払ってこなかったんで,このままどうなっちゃうんだろうと考えると,夜眠れないときがあります」(34歳・男性)(34頁) 

 

自分も30代後半になり研究なんてしているといつまでそんなことをしてるんだと言われるわけですけど,研究者はもちろん,フリーターの皆さんも同じような経験を散々しているんだろうなあと感慨深くなります。

「もう勉強やめたら」と言われる日 - いつか朝日が昇るまで

 

前述したように中高年の方がフリーターで働くことに深刻になってしまい,自分を責めるようになりますよね。でも結局何も解決しないし,過ぎた時間は戻ってきません。後ろを見るより前を見ていかないと生きる気力も湧いてこない。

 

「映画監督を目指していた頃が懐かしいよ。結局,生活のことばっかりになってしまって,一歩も踏み出せないまま終わってしまった。僕が見た社会は,形通りにやっていくと順調に進むけれど,ちょっと脇道にそれたら戻るのが難しい。こうなったのも,だれの責任でもない,自分自身の責任だと思っている。…全力でやる目標を探しているうちにズルズルとここまで来た。人生を船の旅にたとえれば,人はそれぞれいつかはどこかの陸地に降りないといけないけど,その土地がその人に本当にあっているかどうかすぐには分からない。…また旅に出るかどうかはわからないけど,いまは正直に言うと旅に疲れてしまった。でも前向きに,自分の幸せを満たすための何かを見つけていきたいと思っている。(荒巻さん(仮名)36歳・男性)(182~183頁) 

 

私の先輩は将来に絶望し,自らの命を絶ってしまいました。周りはとてもつらいですよね。生活が苦しいというのは精神をやられてしまいます。

人生を諦めるということ~ある先輩との別れ - いつか朝日が昇るまで

 

自分だって今,たまたま巡り合った人と仕事がうまくいっていて生きていることができるわけで,なぜそうなのかと言われてもよく分からない。ただあえて言えば「人との出会い」と「謙虚さ」なのかなと思います。

 

人との出会いというのはとても大切なんですが,自分のように人付き合いが嫌いな人間は,長く友人であり続けた人がほとんどいないわけです。でも仕事だけはうまく人と出会うことができて,そこから人脈も広がって今の仕事につながっている。とても重要なことだと思います。これは私が大切にしていたのではなく,先方が大切にしてくれたというのが正確なのかもしれません。

 

あと「謙虚さ」。20代のフリーターのところにもありますが,「自分できます!!」って言うのがあるわけで,それが悪いわけではないんですけど,実はできることよりもできないことを認識していた方が良いと思うわけです。何でも自分で抱え込むのではなく,できないことは素直に認め,人に頼むこと。これって結構難しい事ですよね。でも世の中の社長はそうやって人を使ってビジネスしているんです。そういうのができないと自滅していく感じです。

 

そんな私は30歳後半になりますが,一回も正社員になったことはありません。だから私は以下のようなこの本の結論ってどうなの?と思ってしまいます。

 

若者たちは歪んだ大人たちの姿を映し出す鏡だ。

「父親のようなサラリーマンになりたくない」

多くのフリーターから聞いた言葉だ。いちばん身近な大人である親が働くことの意義を伝えられないようでは,若者の意識を変えることはできない。どんな仕事にも,やり甲斐があることや,何十年と働き続けることでようやく見えてくる夢もあることを,大人たちは身をもって示さなければならない。(204頁)

 

フリーターは働き続けているのにご飯が食べられないわけで,派遣の人は働きたいのに派遣切りにあっているわけで,こういう結論だと問題は解決しないわけです。つまりフリーターだろうが派遣だろうが,しっかり働けば食える社会を目指すべきではないですか?そうすることで「失敗」そのものが減るのでは?私はそう思うのですが,みなさんはどうでしょうか?