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いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

精神の不安は努力で軽減するか?

以下の記事を読みまして,「努力は報われない」というところに同意したのですが,それでも努力する理由が「?」でしたので以下,その部分を紹介します。

 

では、なぜ努力するのか?答えはカンタンだ。実は、努力する人は、「努力しないと耐えられないから、そうしている」のだ。

もちろん、努力は辛い。しかし、直感に反するかも知れないが、明らかに「努力をしている方がラク」である。

 

 

それは人間が「無為」「ヒマ」に耐えられないからだ。人生は常に不安である。何もすることがない、何もしていない、というのはその不安と正面から戦わないといけない。お金を持っていて、生活に何一つ不自由がないように見える人も、最終的には病の恐怖、死の恐怖と戦わなくてはいけない。

何かに没頭することが、精神の安定にとって重要であることは、間違いない。 

 「努力は報われないが、努力は大事だ」の理由 | 安達裕哉

 

 

この論理構成は人間は「ヒマ」に耐えられないから努力するとなるわけですが,「ヒマ」をつぶす手段はさまざまあるわけです。それで上記の話に照らせば,ゲームすることやアイドルを追っかけることだって「努力」が必要なわけで,それでもいいはずですが,どうもそれではダメなようなのです。

 

アイドルの追っかけやゲームだって「何かに没頭する」に当てはまるわけでるから,それで精神の安定に結び付くであろうと思うのに。

 

実は、引きこもりは大変な精神力を必要とする。毎日が自分を正当化するための戦いである。彼らも「このままではいけない」と常に不安だ。不安を紛らわすためにゲームなどをやっていても、不安は消えない。むしろ増大する。

 

 

普通の人に、「働かなくてもいいんじゃない?」は、結果的に更に精神を不安定にすることにつながるかもしれない。何しろ、毎日何かをすることで、つらい現実を少しでも忘れることができるのであるから。

 

この方の場合は「努力」というのは「つらいもの」だという前提があるようで,さらに辛い現実を忘れるために「つらい努力」が必要だと言っているのです。ですから,「ゲーム」は辛い現実を忘れる手段としては不適切で,ゲームに熱中することは「つらい努力」にはならず,不安を消すことにはならないとのことです。

 

努力よりも情熱

努力って辛いものだというのは同意できるのですが,それをし続けることができるのは「精神の不安」ではなくやりたいことだからではないですか?

 

だからここで言うべきはむしろ,努力そのものが大切なのではなく何か自分がやりたいことはみつけることが先だということ。それが見つかって初めて努力するという選択肢が存在するわけです。努力は手段であって目的ではありません。努力する前に考える必要があるわけですし,そうすることで努力そのものの辛さが軽減されます。

 

だからそのやりたいことがゲームでもネットでも何でも良いんです。そういうものだったら頑張れるし,結果でなくてもやり続けることができるのではないでしょうか?そうすることで不安の一部は軽減すると思います。

能力や結果よりも重要なものがある - いつか朝日が昇るまで

 

生活の不安と努力

ただし情熱を持って努力していても消えない不安があります。そうです,生活の不安です。この方も「何かに没頭すること」の大切さを説いているはずなのに,生活していくということを前提においているよう見えます。だから引きこもりの例を出して,「「働かなくてもいいんじゃない?」は、結果的に更に精神を不安定にすることにつながるかもしれない」と言ってしまうわけです。「努力」と「報酬」をセットで語ってはダメだと言っているんですけど,やっぱりそれが前提になっているのでしょう。

 

そのような前提になってしまうのは当然で,好きなことをやって食っていけるのはほんの一部です。研究者やるとよく分かります。

 

 

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まず,まともに生活するという部分をクリアできれば精神の不安はかなり軽減できます。だから以下の不安と生活に対する不安とでは質が違います。

 

人生は常に不安である。何もすることがない、何もしていない、というのはその不安と正面から戦わないといけない。お金を持っていて、生活に何一つ不自由がないように見える人も、最終的には病の恐怖、死の恐怖と戦わなくてはいけない。

 

ポイントは金持ちの不安は「最終的に」であって,「今」ではありません。そして金持ちがやる努力と金がない人が求めれる努力は全く違うものになります。生活において金がない人たちに求めれる努力はまず金なのです。

 

反町さんは,社会福祉士を目指して,独学で勉強したことがある。しかし,専門学校などを卒業することが資格取得の条件だと知り,断念せざるを得なかった。学校に通うためには,昼間の仕事を辞めなくてはならず,たちまち生活に窮してしまうからだ。

 

(省略)

 

「行きたくても行けない…。勉強したくてもできない…。それを簡単に「自助努力」って言われてしまったら…。こうやって生活してる私たちは,「自助努力」が足らないってことになるんでしょうか」(105頁)

 

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さいごに

私自身は努力そのものを賛美することが良いことだと思いません。私はむしろ自分が何か情熱を持って取り組むことができることを見つけることが先だと思います。しかし,これもまたいつ見つかるのかは誰にも分かりません。またたとえ見つかってもそれが常に楽しいとも限りません(でも止められない)。さらにそれだけで生活できるわけでもないので,最後は兵糧攻めに屈してしまうわけです。

 

だから生存の方法を確保することはとても重要になってくるわけですが,それもまたとても大変な訳です。そういう意味では働き方が多様化して,制度をそれに対応するように変えて,少なくとも生きられる社会というのを実現していく必要があると思うわけですが,どうでしょうか?

フリーター漂流~成功と失敗を分けるもの - いつか朝日が昇るまで