いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

不利な家庭環境でも学力が高い子供を育てるのは家庭だけの役割か?

以下の記事では,親の年収と学歴に関係があるという前提のもと,それを克服すべく家庭がすべきことを紹介していました。

不利な家庭環境でも学力が高い子供を育てるには?親がすべき6つのこと

 

しかしこちらで紹介されているものは国立教育政策研究所が発表した資料の一部であり,実際にこの記事で紹介されていることを実践しようとしても無理です。なぜならこのようなやり方は親が子供の勉強・教育にある程度時間を割くことを前提としており,そのような時間を割くことができないというのが一般的だからです。そういうことが家庭でできないので塾に行かせるわけです。塾に行かせることができない,子どもと関わる時間が少ないとしたら,そもそもこの記事で紹介されているやり方は難しいのです。

 

そこで国立教育政策研究所が発表した資料を見てみると,当然ではありますが,学校の取組も紹介されておりこちらの方も踏まえないといけないのは間違いありません。学校と家庭が連携しなければ,学力が高い子供を育てることはできないでしょう。

 

それではまず家庭も学校も含め,学力が高い子供にはどのような特徴が見られるかという以下の通りです。

 □ 朝食等の生活習慣

(朝食を毎日食べている、毎日同じくらいの時刻に寝ている/起きている、テレビ等を見る時間・テレビゲームをする時間が少ない)

□ 読書や読み聞かせ

(保護者が子供に本や新聞を読むようにすすめている、子供が小さい頃に絵本の読み聞かせをした、子供と一緒に図書館に行く)

□ 勉強や成績に関する会話・学歴期待・学校外教育投資

(保護者が子供と勉強や成績のことについて話をする、保護者の高い学歴への期待、子供への教育投資額が多い)

□ 保護者自身の行動 (授業参観や運動会などの学校行事への参加)

□ 児童生徒の学習習慣と学校規則への態度

(家で自分で計画を立てて勉強している、学校の宿題をしている、学校の規則を守っている など)

□ 学校での学習指導

(自分の考え方を発表する機会が与えられている、家庭学習の課題の与え方について教職員で共通理解を図る ※小学校)

 文部科学省委託研究「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

 

 

上の4つは家庭での行い,下の2つが学校での行いでしょう。ちなみに家庭ではさらに詳しく以下のことを実践しているとのことです。前述したように,これを各家庭にやらせようと思ったらかなり難しいですよ。

 

子供への接し方

□ 生活習慣に関する働きかけ

(毎日決まった時間に寝る/起きるようにしている、毎日朝食を食べさせている、テレビゲームで遊ぶ時間を限定している、携帯電話等の使い方に関するルールや約束を作っている(または、テレビゲームや携帯電話等を持たせていない))

□ 読書に関する働きかけ

(本や新聞を読むようにすすめている、読んだ本の感想を話し合ったりしている、小さい頃に絵本の読み聞かせをした)

□ 学習に関する働きかけ

(子供の勉強を普段みている、計画的に勉強するように促している、子供が英語や外国の文化に触れるよう意識している)

□ 文化・芸術・自然体験活動に関する働きかけ

(子供と一緒に「博物館や科学館」「図書館」「美術館や劇場」に行く)

□ 子供とのコミュニケーション

(子供と「学校での出来事」「勉強や成績」「将来や進路」「友達のこと」「社会の出来事やニュース」について話をする)

子供の教育に対する考え方

□ 高い学歴への期待

□ 子供の教育について、「自立できるようにする」「人の気持ちが分かる」「自分の意見をはっきり言える」「将来の夢や目標に向かって努力する」ことの重視

学校との関わり

□ 学校の教育に関する意識

(学校の教育目標やその達成に向けた方策を知っている、学校や学級の教育活動に関する情報提供は役に立っている)

□ 学校の活動への参加等

(授業参観や運動会などの学校行事への参加、ボランティアでの学校の支援、「地域には、ボランティアで学校を支援するなど、地域の子供たちの教育に関わってくれる人が多い」と感じている)

教育投資

 

□ 子供への教育投資額(ただし、家庭収入が高いほど教育投資額は大きい傾向にある)

 

学校での取組

学校で行われている取組とは以下のことです。こちらの方をしっかりとやってもらうことの方が重要だし,公教育がそれを担うべきだと思います。予算をしっかりつけてやってもらうべきです。

□ 家庭学習の指導の充実

(例:児童生徒に宿題だけでなく自主学習等に取り組ませ、教員が毎日チェック・コメントをしている。)

□ 管理職のリーダーシップと同僚性の構築、実践的な教員研修の重視

(例:中学校において教科を超えて授業を見せ合い、教え合いを行っている。管理職が明確なビジョンや方針を示し共通理解を図っている。他校の授業を見る研修を促している。)

□ 小中連携の取組の推進

(例:小中で学習規律・生活規律面や教育課程での系統性を図っている。)

□ 言語活動の充実等

(例:ノート指導の充実。黒板に「めあて(目的)」を書き、授業のねらいを明確化させる。教育課程全般で「話すこと」や「書くこと」に力を入れている(「聞くこと」はできている)。読書習慣の形成に力を入れている。)

□ 各種学力調査の積極的な活用

□ 基礎・基本の定着と少人数指導

 

(例:基礎・基本の徹底。少人数指導、ティームティーチング、習熟度別指導の導入。)

 

私は小学生を教えているので小学校で躓くとその後,勉強に興味が持てなくなるのはよく分かります。小学校での取組は特に重要です。

 

□ 放課後を利用した補充的な学習サポート

□ 算数の授業における習熟度別少人数指導(習熟の遅いグループに対する指導)

□ 小中連携(教科の指導内容や指導方法についての連携)

□ 家庭学習の課題の与え方に関する教職員の共通理解

 

さいごに

教育というのが家庭に責任があるというのはその通りですが,「不利な家庭環境でも学力を上げる」方法を示すのであれば,各家庭のレベルよりも学校も含めた総合的なレベルで議論しないとどうしようもないと思うのですが,どうでしょうか?こちらに書かれている家庭での接し方のみ行っても,学校での取組がなければうまくいかないと思いますが。

 

 

学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)

学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)