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いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

私が体験したインドという国

以下の赤旗の記事を読んで「こういうことも確かにあるのだろう」と思ってしまった。

 

最初に発言したのは2億人弱の人口を擁するウッタルプラデシュ州の州与党、社会主義党(SP)のムラヤム・シン議長。同氏は10日、同州内の遊説先で、性的暴行事件の被告に死刑が言い渡されたケースに言及。「若い男だったら間違いを起こすこともある。絞首刑にするような話ではない」とのべ、「虚偽のレイプを申し立てる女性を厳罰に処す法改正」を行うと語りました。

 政治家 「間違い起こす」 「被害者にも極刑を」/性暴力容認に批判次々/インド

 

 

バス内でのレイプ事件もあり,女性が自分たちの権利を求めて立ち上がっているわけですが,まだまだ男性優位やカースト制の影響はありまして,不当に差別されているという状況は変わっていません。

 

 意識深めている

 

 主要紙ヒンズーは「インドのレイプ容認派」と題する12日付社説で、こうした主張に共感する層が今も根強く存在していると指摘。シン氏の発言も、「失言」ではなく、選挙を有利に進めようという狙いのもとで意図的におこなったものだ、と論評しました。

 

 一方女性団体サヘリのナンディニ・ラオ氏は「男性中心の思考が残っているのは事実」としつつ、「12年の事件以後、ますます多くの人が女性への暴力についての意識を深めている。その変化に気付けない政治家は、長い目で見て支持を失っていくだろう」と語っています。

 

このように選挙目的のための発言として取り上げられ,それで当選できるとなると,こうした差別がなくなることはないでしょう。インドは「世界最大の民主主義」と言っていますが,その内実がこれでは…という感じです。

 

しかし一方でインドという国はとても魅力的な部分があって,この国にはまると抜け出せなくなるというのもあります。

 

 

新ゴーゴー・インド

新ゴーゴー・インド

 

 

 

私自身も研究対象として取り上げたこともあり,この国を訪れたことはあります。インドという国はとても広い国で,おそらくインドを旅した人それぞれに感想を聞くと,全く違った感想が返ってきて,「本当に同じ国に行ったの?」と思われるくらいの国です。ですので,私が体験したインドも「ひとつのインド」でしかありません。

 

インドには宗教対立もあり,あるヒンドゥー教徒の青年は盛んにパキスタンの危険性とイスラム教徒に対する憎悪を語っていました。彼は特にイスラム教徒に何かされたわけではありませんが,そういう憎悪の気持ちが独り歩きするという状況はとても危険であり,どう解消していけばよいのか考えさせられます。

 

一方,あるイスラム教徒にカシミールでのテロについて聞いた時,そのテロを肯定する発言もありました。双方ともにこういう感情を持ちながら生活しているわけです。こういう気持ちは何か問題が起こった時に一気に爆発します。

 

さらに経済格差もあります。大学を卒業した若者が職に就けない。私も「いい仕事はないか」とホテルで何回か聞かれました。ビジネスを持ちかけてくる人もいました。そういう状況でありますので,「インド経済すごい」みたいな論調を見かけると「ほんとかな?」と疑ってしまいます。

 

路上には足がない人がお金を求めて座っています。お金がないからお金をくれとずっとついてくる人もいます。そういう状況を見ないといけないし,そういう状況を私は改善できるのか。私にはまだ答えがありません。

 

私がインドで旅行をしているときは学生ですので,そんなにお金もないわけですが,飛行機に乗ってインドにくること自体が金持ちの象徴です。いくら私が貧乏学生だと説明しても誰も信じてくれません。自分と彼らとの距離は埋められないと感じた旅行でした。アメリカなどの先進国ではほとんど感じたことがないことです。

 

差別されてる側,貧しい側に立つというのは言葉でいうのは簡単ですが,実際には差別されている側から拒否される。本当に考えさせられる経験であり,今でもそれを引きずっています。しかし,一方で差別されている側,貧しい側には語る言葉を持たないので誰かが語らなければならない。以下の本はそういう問題を取り上げています。

 

サバルタンは語ることができるか (みすずライブラリー)

サバルタンは語ることができるか (みすずライブラリー)

 

 

自分たちがどういう立場で語ることができるのか,それが自分ではコントロールできないという現状。インドの研究からは離れていますが,こうした問題はインドだけのも問題ではないので,今後もずっと考えていきたいと思います。