いつか朝日が昇るまで

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NHKバリバラ~出生前診断を考える

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昨日のNHKバリバラを見ました。テーマは「出生前診断」についてでした。ダウン症のインタビューアーであるけん太さんが全国を回って「なぜ出生前診断が必要なのか」「ダウン症の子供は産んではいけないのか」ということを聞いて回りました。

NHK バリバラ|今までのバリバラ

 

街頭インタビューではみんな歯切れが悪い。みんな一様にダウン症の子供を産んではいけないわけではないが,出生前検査については良い悪いの判断を言わない。そこで産婦人科医にインタビュー。このお医者さんは広島大学の先生ですが,よくインタビューを受けたなと思いました。かなり答えづらい質問は想定されるわけですから。以下はけん太さんとのやりとりをまとめたものです。

 

Q:ダウン症の子供は産んではいけないの

A:産んでほしい。医学的には病気があるという理由で中絶は認められていない。

Q:なぜ出生前診断をするの?

A:赤ちゃんに病気がないか心配。病気がないと分かると安心できるし,病気が分かれば準備ができ,育てる自信ができる。安心して産んでもらうための検査。

Q:ダウン症の赤ちゃんとそうでない赤ちゃんは違うか

A:ダウン症そのものは医学的には問題ない。ただし合併症などへの注意は必要。

Q:なぜ中絶するの?

A:産めない環境があるからですかね。もしどうしても育てるのが難しい夫婦が障害を持っている子供を産んでしまったら,その夫婦の方が参ってしまう。それでも育てろとは言えない。

 

このようなやり取りは本来,医師が答えて解決できる問題もないと思うので,その質問に自分なりに意見を述べるこのお医者さんは素晴らしいなと思いました。ものすごい言葉を選んで真剣に答える姿に好感が持てました。だから「お医者さんも分からない」という批判は筋違いだと思いますが。

 

その後,スタジオの議論では実際にを脳性まひの女性の方が「障害を持って生きることはそんなに簡単ではない。事前に選択できるのであれば産まない選択もありだ」と述べていました。今までの人生で大変なこともたくさんあったのだろうと思ったのと同時にとても重い発言でした。

 

また二分脊椎症の女性は母親から「障害だと分かっていたら産まなかった」と言われたそうです。だから愛情がなかったわけではないが,自信が持てたのは私が高校生になってからだったそうです。それなのにその決断を中絶が可能である期間の間に決断しなければいけないのか。それはおかしいと発言。

 

これは確かにそうです。そんな短期間で決断できるのか。またそれをなぜ個々の家族が背負っていかなければならないのか。それは私も常に考えているところです。以前,それについても書きましたので以下を参照下さい(こちらの方に実際に出生前診断をした人がどのような決断をしたかも書いています)。

個々の家族が命を選択しなければならないということ - いつか朝日が昇るまで

 

次にけん太さんは妊娠しているお母さんのもとへ。現在妊娠8カ月のお母さんですでに4人の子供がいます。そして長女がダウン症です。そのお母さんが揺れる気持ちを話してくれました。第2子を妊娠した時は「もし検査をすればダウン症の長女を否定したことになるので出生前検査は必要ない」と考えていたが,第3子の時は「もしこの子が障害を持っていたら,2番目の息子が自分が死んだあと二人の障害を持った兄弟の面倒を見なければならない。やりたいことができなくなるのではないか」と考えたようです。結局,検査は受けなかったようですが,これはみんな考えることだと思うんですね。

 

私たちもトキソプラズマの検査で陽性反応が出たので,もし障害があったら上の子がそれを背負わないといけないのではないかと考えました。検査の結果,産まないという結論を出すことはなかったのですが,考えるのも辛いことです。そんな結論を短期間でしかも個々の家族がしなければなりません。どちらの選択をしても後悔すると思います。

命と向きあった一カ月~トキソプラズマ陽性反応で - いつか朝日が昇るまで

 

最後の街頭インタビューで身近にダウン症のかわいい子供を知っている女性の方も,「ダウン症の子と親族でいることはとてもうれしいことだが,いざ自分の子がそうだったら産めるかどうかその時になってみないと分からない。自分が試されるところだと思う」と涙ながらに答えていました。

 

妊娠をした人はみなそのような難しい決断を迫られる場合があるわけですね。でもそれって本当に難しいし,それを個々の家族に押し付けておいて,「命の大切さ」と言われてもそれは十分に分かっているうえで考えているわけですから,個々の家族を苦しめるだけです。

 

一方,ゲストは松野明美さんで実際にダウン症の子供を育てている方ですが,本人の性格もあって発言か軽く感じてしまったのは残念でしたね。最初は「なんで私を選んで生まれてきたの?」と思っていた、と当時の思いを率直に語っていたのですが,最後は「私がダウン症の子供を選んだ」と発言しており,これを番組通して意見が変わったと言われるとちょっとねと思いました。実際にはもっといろいろな思いの変化があったでしょうに。

 

スタジオ内で行われた議論の中で,以下の発言が私は一番重要だと思いました。これがすべてでしょう。まだ第2回があるようですからそちらも見て,この続きを考えたいと思います。

 

「どこが産めない環境なのかをみんなで考えていく必要がある」

(大橋グレース 多発性硬化症

…出生前検査をめぐる状況についての一言。産むか産まないかの重い決断を、検査を受けた女性や、その家族だけに負わせるのではなく、なぜ産めない環境があるのかについて、社会全体で考えていく必要だと訴えた名言。

 NHK バリバラ|今までのバリバラ

 

いのちを選ぶ社会 出生前診断のいま

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