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いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

義務教育こそ卒業テストが必要だ

考え方

 

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以下のエントリーを読んだ。私自身も塾で小学生を教えており,かつては中学生を教えていたことがあるので,このような主張も理解できる。ただこうした主張はいつも以下のような結論で終わる。

 

本当に「底辺」の位置にいる子供たちに必要なのは、「1年で東大!」式の見せかけの希望ではなく、学びというものが持つ力や意義を教えることや、我々の世界が持つ不思議や魅力を知る行為がどんなに楽しいものかということ、どんな人間にも学び学習する力は備わっているんだということを、ひとつひとつ地道に教えていくこと。そして基礎的な学力をゆっくり着実に備えさせて行くことだと思います。

「1年で東大!」「東大に入れば人生が全てうまく行く!」「東大に入れなければ最悪の人生になる!」的なドラゴン桜のメッセージは、決して子供たちの好奇心や向学心を刺激しません。これが刺激するのは欲望と恐怖だけです。

そして、欲望と恐怖からは決して本物の「学び」は生まれないのです。

「ドラゴン桜」が書かない本当の日本の底辺 : 人類応援ブログ

 

「学びというものが持つ力や意義を教えることや、我々の世界が持つ不思議や魅力を知る行為がどんなに楽しいものかということ、どんな人間にも学び学習する力は備わっているんだということを、ひとつひとつ地道に教えていくこと」というのは正しい。しかしそうした授業を行ったとしても「基礎的な学力」に差が出るのは確かである。

 

また,こうした主張はたびたびなされるのであるが,結局何も改善されない。だから,これからは教育制度そのものを変えて,「基礎的な学力」をいかに定着させるかを考えなければならない。そうしなければ今後もこうした主張がなされ続けるだけで,何も変わらないということになる。

 

そこで私が「基礎的な学力」の定着のために必要だと考えるのは,本当に義務教育の内容を理解したかどうかを測る「卒業テスト」を導入することだ。このテストを中学3年生と小学校6年生で行い,基準点に満たない場合は卒業させない。そして1年間で小学6年間で基準に満たなかった分野,中学3年間で基準に満たなかった分野を勉強させるのである。

 

特に小学校の「卒業テスト」は必要だ。中学生の場合は,高校入試があるので,それに向けて勉強し,習熟度を測ることは可能であるが,小学生の場合,学習内容を理解していなくても自動的に中学校に進学できる。その結果,小学校の内容が理解できていない生徒は,中学校でますます勉強が嫌いになる。

 

しかし,中学生になってから小学校の内容にまでさかのぼるのは大変なことだ。私自身も中学2年生に分数の掛け算割り算を教えたことがある。中学2年生と言えば,翌年は受験である。小学校の内容だけ復習することはできないので,小学校の内容を教えると同時に中学校のカリキュラムをこなすしかなかった。結果,すべてを身につけることはできなかったかもしれないが,希望の高校には合格できた。しかし,なぜ小学校の時にもっとしっかり教わってなかったのかと今でも疑問に思う。やはり小学校で学ぶべき内容は小学校でしっかり理解しておかなければならない。

 

また,私が小学生を教えていて思うのは個々の成長の差が激しいということである。小学生の場合,身体的には成長しても精神の成長は伴わないこともある。それがそのまま学習態度にも影響することもあり,学習内容の定着に差が出てしまう。しかし,ある生徒が1時間で覚えられることを1日で覚える生徒がいても,それは能力の差と捉えるのではなく,結果としてすべて覚えられたと考えるべきだ。当然,そうした生徒は他の生徒よりも時間がかかるのだから,小学校が6年間で終わらないということもありうる。それでも中学校に進学させてしまったら,その方がその生徒のマイナスになるはずだ。

 

義務教育は大人の責任なのだから,子どもが義務教育内容を理解できていないのなら,それは大人の責任である。だからたとえ留年したとしてもそれは子どもの責任ではなく,大人の責任。そういう社会にならなければならないし,留年した生徒が不利益を被らないような仕組みは必要だろう。また留年と言っても1年間限定にし,その1年間で必ず学習内容を定着させるというのが学校の責任になる。

 

橋下市長が典型であるが,小学生に学力テストを課して,どこの都道府県が一番良い,どこが最下位などと平均点を見て比べているが,本来は基準に満たない生徒をどう勉強させるか考えるために使うべきだろう。それこそが公教育の役割だと思う。

 

昨今,日本の大学生は勉強しないと言って,勉強しない学生は卒業させるなという話もある。しかし,大学の卒業という出口だけを厳しくしても,その入り口である,高校,中学校,小学校の制度について見直さなければ何も変わらない。結局は「今の学生は…」と若者叩きで溜飲を下げて終りである。

 

批判して終わりになるのではなく,教育制度そのものを見直す方向へ行ってほしい。それこそが義務教育の役目ではなかろうか?皆さんはどう考える?

 

 

 

義務教育を問いなおす (ちくま新書 (543))

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