読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

「承認欲求」ってネットの世界,若者だけのものじゃないって話

f:id:gerge0725:20140908103734j:plain

 

以前,こんなニュースが報じられていました。最近,若者の承認欲求が議論されることが多いですよね。

 

公判では大吉被告がAさんをなぜ殴ったかという動機について、検察側の冒頭陳述でこう語られた。

「2月15日に、具合の悪い入所者にいち早く気づいたことで施設長から褒められた。また褒められたかった」

 なんと、ただ単に"褒められたい"、それだけで犯罪に走っていたのである。弁護側は「16日と17日にも寝たきりの入所者をたたいたがほめてもらえなかったため、18日に犯行に至った。過度のストレスによる適応障害だった」として減刑を主張した。

老人ホーム暴行致死事件にひそむ承認欲求と介護業界の闇 - エキサイトニュース(1/3)

 

こうした話をこの記事の中では以下の問題に結びつけています。

 

大吉被告のように"褒められたい"欲を暴走させ犯罪に走ることはなくとも、人間誰しも褒められたい欲はある。『承認欲求--「認められたい」をどう活かすか』(太田肇/東洋経済新報社)は、社会で働く人間がいかに他者からの承認を必要としているかについて触れている。それによれば「近年、就職しても短期間で辞める若者の増加が社会問題になっている」が、その背後には「承認の不足が隠れていることが多い」のだという。簡単なアンケート調査では離職した理由について「給与や労働時間などの労働条件がよくないこと」や「仕事が自分に合わない」とか「成長できない」といったことを挙げていても「それは表向きの理由であることが少なくない」。典型的なパターンとしては「周りから認めてもらえない→仕事が楽しくない/孤独を感じる/自信がもてない→離職する」といったものだ。

しかも「本人自身、それが承認の不足だということに気づいていないケースもある」ため、実際よりも承認の不足に関する問題が過小評価されているというのだ。

老人ホーム暴行致死事件にひそむ承認欲求と介護業界の闇 - エキサイトニュース(1/3)

 

ただこの問題は介護業界特有の問題とも絡んでおり,さらに適応障害であったということもあって,最後まで読むと承認欲求とどう関係するのかよく分からなくないという感想です。しかし,若者がネットで他者の承認を求めると「承認欲求モンスター」などと批判されることが多くあります。ただ疑問に思うのは承認欲求で何も若者だけに限ったものではないと思うんですよね。

 

そんなことを考えていたら,今日のあさイチを見ていたら以下の内容の放送がされていました。

 

 9月1日放送の「もうイラっとしない!シニアとのつきあい方」で、高齢者によるトラブルが増えていることをお伝えしました。その反響や追跡取材から、さらに深刻な「事件」に発展したケースが数多くあることがわかってきました。「犯罪白書」によると、高齢者の暴行事件はこの20年で48倍に激増、ほかの世代に比べ突出した伸び率を示しています。その3分の2以上が初犯であり、事件を起こした理由の7割が「憤ぬ」、つまりごく普通の高齢者が突然事件を起こしてしまっているというのです。
番組に声を寄せていただいた男性(72)は、他人のモラルを逸脱した行為を見ると、つい大声を出したり、手を出したりしてしまうといいます。妻によると若い頃から正義感は強かったけれど、自分を見失うことはなかったそうです。
高齢者の事件が増えている背景として、精神科医である筑波大学斎藤環教授は、独居老人の増加など高齢者の孤立化に加え、世間に対しての疎外感があると指摘します。さらにそうした孤立化や疎外感は、高齢者に限った話ではなく、40代~60代にもその“予備群”が増えているそうです。
番組では、暴力トラブルを起こしてしまった当事者の声から、そこに至ってしまった理由に迫るとともに、家族や自分自身がそうした事態を起こさないようにするために、何が必要なのかを考えます。

 どうする?急増する“高齢者の暴力”|NHK あさイチ

 

実際に高齢者の犯罪が増えていて,その2/3が初犯だそうです。つまり「あの人が暴力を振るうなんて」という話が事件後に語られるというわけです。それで暴力を振るってしまった72歳の方が出ていたのですが,肩書が元大学教授。それが今では「ただのおじさん」になってしまっているもどかしさを語っていました。

 

この方のインタビューを見ていると元ヤンキーが昔の武勇伝を語るかの如く,「怖いおじさんが世の中にいるということを教えてやらないと」「高齢者が黙っていてはダメ」などと言うわけです。自分から手を挙げたのは事実だから自分の方が悪いかもしれないとは思っているのですが,そこに暴力を振るってしまったという反省はありません。そういう意味でも武勇伝ですね。奥さんも「言い方があるでしょ」みたいな感じです。

 

そして先ほど書いた「ただのおじさん」発言。今まで社会的な地位があった人が自分が「ただのおじさん」であるということを受け入れられない。それって「承認欲求」ですよね。他にも病院での暴力の例が出ていて,「入院の書類に書いてありましたよね」と言われて,大激怒するご老人。後々分かったことですが,このご老人はどこかの企業の社長だったようです。普段はとても温厚なのでしょう。自分が「ただのおじさん」として扱われたことが我慢ならなかったのかもしれません。

 

優先席で座っている若者が携帯を触っていて,それに我慢ならず若者の足を蹴るという老人を私の妻が見たことがありますが,その老人は決してペースメーカーなどを使っていたわけではありません。優先席で携帯を使っている若者が許せないんですね。その若者も「うるせえなあ,じじい」みたいな感じでその状態が続いていたようですが,こういうことって意外とありますよね。そのご老人も「何か言わなければ」と思っていたのかもしれません。

 

 結局年齢に関わらず人間は何らかの承認を求めるわけで,問題となっているのはそれをどこでどのように求めるのかであって,承認欲求そのものが問題になっているわけではないでしょう。どの世代でも見られる現象であるのに,ネットという場で衆人環視の下で行われているので,「若者の承認欲求が~」と叫ぶ人たちがいるだけで,実際には違う場では違う世代の「承認欲求」を満たす行為が行われているだけだと思うのですがどうでしょうか?

 

暴力で「承認欲求」を満たすのは問題ですが,「口うるさい年配者」は受け入れ,ネットで「承認欲求」を求める若者は暖かく認めてあげる。それぐらいの余裕が社会にあっても良いと思うのですが。

 

 

「承認欲求モンスター」の先に「リアルな世界」があるのかもしれない - いつか朝日が昇るまで

 

 

承認欲求―「認められたい」をどう活かすか?

承認欲求―「認められたい」をどう活かすか?