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いつか朝日が昇るまで

子育て、受験、日々考えたことなどを紹介するブログです。みなさんの気楽な子育て,中学受験を応援します。

瞑想って自分の心を見つめるためにやるものだよね

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以下の記事を読みました。グローバルエリートが実践していることが多く紹介されています。


グローバルエリートはみんな実践! 来年から絶対に身につけたい早起きの習慣と朝の時間の活用法 - この世の果てブログ

 

これに対してシロクマ先生(p_shirokuma)が以下のようなエントリーを上げていました。

ひとつひとつとってみれば、エリートがやっていても不思議ではないものが並んでいる。だが全部繋げれば「おまえのようなグローバルエリートがいるか」と言わざるを得ない。朝も早くからこんなに動き回っていれば、働く段になってヘトヘトになってしまうだろう。 

 

なんだよ、グローバルエリートって躁状態なのか? - シロクマの屑籠

 

確かにこんなことを毎日やっていたら体が持たないと思うのだけれども,私が気になったのは以下の項目。瞑想の箇所です。

さっぱりしたところで、瞑想だ。メソッドはもちろん「マインドフルネス瞑想」。私の知り合いが多く勤めている シリコンヴァレーの Google も取り入れているメソッドなのだが、最高だ。詳細は以下の本に詳しいが、自分の呼吸に意識を集中しながら精神を統一していくと、グローバルエリートという巨大な共通意識の一部である実感に包まれる。 

 グローバルエリートはみんな実践! 来年から絶対に身につけたい早起きの習慣と朝の時間の活用法 - この世の果てブログ

 

瞑想って最近よく聞く言葉ですが,瞑想ってこういうビジネスツールだったの?との疑問がわきました。そもそも瞑想というのは自己を見つめなおすために,自分の心を落ち着けるために行われるものであり,決して「グローバルエリートであることを実感する」ためにあるわけではないはずです。そこでこのエントリーではヨガにおける瞑想について書いてみたいと思います。

 

日本でヨガと言えばケン・ハラクマ氏が第一人者でありますが,ケン・ハラクマ氏は瞑想について以下のように語っています。

瞑想は,決意を固め,これからどう行動を起こすかを考える,準備の時間です。ちょうど朝,出勤前に歯を磨いて着替えをするようなものです。毎日続けていると,たった二カ月でも,体調に大きな変化が見られます。心の中が常に平静になり,何かを判断するときも焦らず冷静に考えることができるようになっていることに気づきます。

(中略)

瞑想によって,自分がいまどういう状態なのか,冷静に観察するのです。忙しくないようにするのではなく,忙しいということ,自分のマインドが落ち着いていないということも含めて認識しなさい,ということです。まずはそこがスタートです。どれだけ自分が落ち着きのない状態か認識したところで,次のステップ,「マインドを静かにする」という作業が始まります。

(中略)

 じっと体を動かさない状態で瞑想し,マインドを落ち着かせるのではなく,ポーズや呼吸をしながら,体の動きを通じて落ち着いたマインドの状態を認識するという方法です。まずは目を瞑ってじっと座り,自分の状態がどれほど慌ただしく乱れているかを認識する。そして,ポーズをとって体を動かしながら,心の忙しさを静かな方向へと深めていく練習をしていくのです。

(163-166頁)

 

ヨガから始まる―心と体をひとつにする方法 (カルチャー・スタディーズ)

ヨガから始まる―心と体をひとつにする方法 (カルチャー・スタディーズ)

 

 

つまり瞑想は自分を見つめ心を落ち着かせることで行動を起こせるようにするという話です。これは当然エリートビジネスマンがそれを実感するための道具ではなくひとりひとりの人間が自らの心を見つめる手法でしょう。

 

こうした紹介のされ方がなされるのは欧米でのヨガの取り上げられ方が原因かと思います。欧米で行われているヨガというのは精神面よりも肉体面が重視されているので,その中で瞑想というのもエリートビジネスマンがビジネスで成功するための道具になっているのではないかと思うのです。ケン氏の本の以下の部分がそれを示唆しています。

 欧米では一般に,「ヨガはエアロビクスやスポーツの延長上にある一種の身体運動」と捉えられていますから,私が最初にヨガをナンシーに習い始めたばかりの頃には,そうした指導も受けていました。つまり,「どうすればうまくポーズをとることができるか」というテクニカルな練習です。ポーズを細分化し,骨や筋肉の動きや機能を構造的に分析したり,体だけではない別のツール,たとえば椅子やベルト,壁などを補助的に用いながら骨格を整え,ポーズを練習していくのです。

(中略)

 当時は,毎日がポーズの練習でした。無理をするとすぐに体のあちこちが痛みます。だからといって,やりたいポーズはどんどん増えてくる。新しいポーズにチャレンジしたいという気持ちと,体が痛くてそれができないというジレンマに,悩まされました。その頃はアメリカにもたびたび行っていたのですが,現地のヨガのクラスに出てみると,非常にレベルが高く感じる。ついほかの人と比べてしまって,ますます焦りを募らせたものです。

 しかし,他人と比較して自分を評価することは,本来ヨガの考え方とは遠いものです。ヨガは,その人の体やマインドの状態に合った練習を行うべきなのです。

(中略)

人は,「本当に大切なもの」が見えないまま,余分なことばかりに心を奪われ,振り回されていることが多いのです。

(48-51頁)

 

それでヨガを見たことがない人は以下の動画を見てください。こうしたヨガの達人たちの動画を見ると驚愕します。例えばこういう動画。以下のはアシュタンガヨガの達人のジョン・スコットの動画です。


Ashtanga Yoga: The Primary Series (Japanese) - John Scott アシュタンガ ヨガ - YouTube

 

もちろんアシュタンガヨガも瞑想を意識していますが,それはポーズと一体化されていますし,こうしたダイナミックなポーズを見せられるとポーズの習得に目的が行きがちです。特に肉体的側面を重視する人たちはそうでしょう。(ただおもしろい事にケン・ハラクマ氏もアシュタンガヨガを教えているんですよね。ただポーズができるようになることを重視していません。)

 

ジョン・スコットのようにヨガの達人になると,,ヨガがポーズだけのものではないと分かりますが,ヨガのポーズがストレッチと同じように受け入れられていると,その精神面は軽視されることになります*1

 

アシュタンガ・ヨーガ (ガイアブックス)

アシュタンガ・ヨーガ (ガイアブックス)

 

 

本来ヨガとは人と比べるものではなく,自分の心を見つめるためにあると思うんですね。そういう意味では肉体的側面よりも精神的側面の方が重要なはずなのです。だからその延長上で考えれば瞑想はエリートビジネスマン含め,人々が自身を振り返るために使われるべきであり,「グローバルエリートであることを実感する」ためのものではないと思うのですが,どうでしょうか。当然でありますが,瞑想はエリートビジネスマンがビジネスで成功するための道具ではありませんし,それで成功するとも思えませんよね…。

*1:今はハタヨガ全盛なんですよね。瞑想だけだと怪しげな感じに見えるからかもしれません。